2021/11/02 11:54



なんだかんだ一目惚れというものは強い。その力で販売を続けることができている面もある。ちなみにお相手は紙です。冷静に考えると変態だなあと思う。職業病かもしれない。


今、卓上ミニカレンダーに使っている紙は「カラープラン」という。初めて紙の取次屋さんから見本帳を見せてもらったときは胸がときめいた。その風合い、色味、触ったときの感触、いたるところでセンスを感じられる。「モダンな紙だなあ、綿密なマーケティングとかしたのかなあ」と思っていたのだけれど、調べたら1936年の英国生まれとのこと。これには驚いた。本当に良いものというのは時代を感じさせないということなのだろうか。これはなんとしても使いたい、生かしてやりたいと思った。まぁ「これは想定するユーザーにウケるやろなあ」という思いもあったが。


(出典:minneとものづくりと「【竹尾連載】紙のはなし第3回:『カラープラン-FS』」より)


さて、この紙を美しく見せるためにどうするか。かけ合わせたのはマテリアルデザインである。


マテリアルデザイン

「マテリアルデザイン(Material Design)」をそのまま直訳すると「物質的なデザイン」となり、その名の通り物理的な法則に則ったデザインを指します。(中略)
現実世界のルールを適用するため、マテリアルデザインは3次元で表現されています。(中略)
カラム(枠)と文字は基本的に「紙」と「インク」で構成されており、印刷物を意識した作りとなっています。


私はこの制作と並行して、お客様のホームページ制作にも営業として携わっていていろいろ勉強していたこともあり、マテリアルデザインというものは頭の片隅にあった。あるとき、紙と紙を重ね合わせたようなマテリアルデザインの表現を画面で見ていたらふっとひらめき、現実でも同じように前述のカラープランを重ねてみた。これだ!と思った。これをヒントにカレンダーを制作してみようと。

マーケティング的な要素も絡んではいるが、やはり一番には紙の持つ力を生かすことを考えて、美しい形を追求していくと、自然とこの形に落ち着いた。形態は機能に従うというが、その意味が制作過程で本当の意味でわかってきたような気がする。腑に落ちるという感覚だろうか。

もちろん人々がどう感じるかはわからない。今はWeb上でしか販売してないけど、リアルな場所での販売を増やしていきたい。紙の持つ雰囲気を手に取って感じて欲しいと思っている。とりあえずデザイフェスタには出るので、みなさん来てください。